正 木 健 三 翁  株式会社正木鉄工所 二代目社長    平成23.4.16 正木 正一

正木鉄工所が設立された翌年の大正6.11.21深川毛利町にて愛次郎の三男として生まれる。
幼少の頃から鉄工所の跡継ぎとして愛次郎の義弟に技術を仕込まれる。
昭和20年太平洋戦争敗戦で両親と全ての財を失うが 兵役より戻った下町の焼け跡から裸一貫から正木鉄工所を再興し 戦後の日本復興に寄与する。
昭和33年にはMA式鉄骨工法を考案し 特許を取得して全国に広め その後の鋼構造物に大きく影響を与える。
昭和40年代の高度成長期には都心のビルや大規模建造物 全国の高速道路の橋梁等の製作に多大な貢献をし 初代の意思を継ぎ鉄工所一筋に生涯を捧げる。
昭和55年には江東区の中小企業約500社を集め 江東区工業連合会を設立し初代会長に推され その重責を果たす。
他方 永年保護司として社会に貢献し 昭和58年に法務大臣より表彰状を そして平成8年には勲五等瑞宝章の褒章を授与される。
趣味は書道で「江雲」の雅号でその道の大家として手解きを受けた弟子は数知れない。
妻ヒサとの間に二男三女を育て 平成不況で一時休業した鉄工所の再開を夢見ていたが望み叶わず子孫にその意思を託し平成23.3.1 93歳で永眠する。