chapter4 北海道テレビの松田亜紀子アナとの出会い
 
 掲載から1ヶ月ほどして北海道テレビの者ですが北海タイムスが以前掲載した夕日ケ丘山荘の皆さんの生活を取材させて欲しい旨の電話を頂きました。有り難いお話ですが今だに入居者がなくオープン出来ずにいる旨を伝えると残念ですと電話を切られる時にワラをもすがる気持
ちで、送り迎えを致しますので貴女自身の目で夕日ケ丘山荘のどこに問題が有るのか見て教えて欲しいとお願い致しました。しかし目先のニュースにならないと思ったのか「そのうち行って見ましょう」とつれない返事でした。それから暫くしてテレビ局の事も忘れていた頃に「これから見にゆきたいが都合はどうか」と突然電話が来ました。何と山荘に現れたのは毎日夕方のニュースを読んでいる美しいアナウンサーでした。
 北海道テレビではアナウンサーと言えども記者であり番組制作係でもあるそうです。松田アナを山荘に案内した開口一番「まあ、素敵私が住みたい」でした

建設会社が高齢者の住まいとして知恵の結晶を一部始終を見ていただいた結果「個人が高齢化社会に対してこんな素晴らしい施設を作ったのに入居者がゼロと言うのがニュースです。ぜひ番組で報道させて下さい」と言ってくれました。
 数日後の夕方のニュースで松田アナ自らの企画で報道されました。番組最後に問合わせ先の山荘の電話番号が出たとたんに電話が鳴り初めました。それから半月ほど電話と見学者と面接に追われました。今振り返っても一番楽しい時でした。建設会社の社長以下担当者の笑顔も忘れられません。
 4人の入居者を得て平成10年7月1日予定より2ヶ月遅れでオープンする事が出来ました。10月には満室になりました。
 一人の女性が「まあ素敵」と思っただけで10名の高齢者の生活と人生を変えてしまうメディアに驚異を覚えました。

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